2012年6月7日木曜日

必要だけど邪魔なもの



田んぼ道を歩きながら、
ふと空をみあげると
青く澄んだ空がどこまでも続いていた
さえぎるものが何もないので、
目にうつる色は空の青
そして、雲の白

たまに鳥や遠くの飛行機が、
その広大なキャンバスに
絵を描いてくれるのが
アクセントになったりする

良く見ると飛行機が3機も
















街に戻ってふたたび空をみあげると
そこには太く、無機質な柱や、
無数の線が右から左から何本も
出ていて、青いキャンバスに落書きしている


「電柱と電線の仕業だ」


なくてはならないものだが
こいつらの節操のなさに腹が立つ

どんなにきれいな空、雲、街並みも
後から傷をつけられた作品のようだ

夕暮れ時やロケーションによっては
偶然にもこいつらがいい味を出すことは
もちろん知っている

例えばこうした引きの写真



遠くにシルエットとして写る
電線や鉄塔は悪くない

だからと言って、甘やかしているから
こういうことになる

住宅街での空
















縦、横、斜め
自由過ぎるだろ

この時は、待ちに待った金環日食を撮れないことが
怒りを余計に倍増させてはいるが
雲がはれたところで、電線に挟まれた
金冠日食に心を奪われることはないだろう




事務所の前もこの通り
宗吾霊堂の厳かな雰囲気にもおかまいなし

もちろん、街に電柱や電線をなくすことは現実的ではない
これらをなくせないなら、居場所を変えるしか方法はない

代表的なのは地中化か

初期投資、メンテナンスなど問題はあるが
景観がよくなり、さらに台風や地震などの被害を
抑えることができるという報告もあがっている

そうなれば、街としての資産価値やブランド価値が向上し
そこまで長い目でみなくても、
思った以上の効果を得れるのではないか

地域に目を向ければ「成田市」
観光名所である成田山周辺は平成18年頃までに
電柱の地中化は完了しています

ただ、観光地ではなく「街」ならどうか?
恐らくはなのき台のメインストリートを除けば
新興住宅地であっても、電柱、電線はいまだ
増え続けている

欧米では地中化対策がとれなくとも
景観や安全性を考え、無電柱化しているところは
多くあるそうだ

今、電柱がなくて困るのは
目印がなくなってしまう「犬」か、
酔っ払いくらいだろう


そこは申し訳ないが我慢してもらいたい

さて、電柱1本もない国ってないだろうか?
もちろん、きちっと電気を使っている前提で

思い出した


夢の国























そういや、電線や電柱が一本もない

それから、こんな場所も思い出した


房総のむら
















やっぱり、昔の空は広かったのだろう

成田市を観光地と考えるなら
空港のインフラ、成田山の活性化以外に
日本を代表する「美しい街」を増やしたらどうだろ

既にできあがった街を変えるのは難しいが
これから大きな分譲を開発する際は
是非導入してもらいたい
というか、絶対条件にしてもらいたい

「うちの街、電柱がないんだ」
ないことがカッコ良く聞こえる

そして、我々広告業界にとっても
この町で撮影された写真を
仮に広告にする場合

電線を消すという作業がなくなるという

おまけ付きだ